スマラグダスの祈り
Prayer of Smaragdus
事前情報
舞台:現代日本
ジャンル:クローズド
推奨人数:2~4人
プレイ時間:3~5時間
推奨技能:基本探索技能、戦闘技能、芸術(特に音楽)
注意:探索者は全員、同じ怪盗団の団員であること。
≪あらすじ≫
貴方達は世界を股にかける凄腕怪盗団の一員である。
今回の獲物は日本の名女優、西園寺侑子が実際に映画で使用した10カラットのエメラルドのネックレス。
5億は下らないと噂の宝石を、彼女の誕生日パーティーに乗じて華麗に盗み出せ!
真相
西園寺
NPC
西園寺 侑子
怪しげな美しさを持つ女優。20歳で舞台デビューして後、そのプライベートではヴァイオリンのレッスンにはまっている。
三年前に夫が死去して以来、莫大な財産を受け継いだ。その資産を使い『スマラグダスの祈り』で使用された東京郊外のとある洋館を買い取り、別荘にした。
その本性は代々極秘に受け継がれてきた魔術師の末裔であり、快楽主義者でもある。
西園寺 哲
貿易商社の社長の次男であり、西園寺家に婿にきた。
海外出張が多く、特にヨーロッパへ出向くことが多かった。その際多くの宝石を侑子にお土産と言って持ち帰ってきたという。
本編
導入
貴方達は、アジト(或いはよく集まる場所)に集まっていた。他愛ない雑談をしていた中、ふとTVのニュース(あるいはSNSなどその場に合わせたメディア)に、今話題の女優『
インタビューでは1週間後に彼女が主催する自身の誕生日パーティーについて触れていた。どうやら『スマラグダスの祈り』にて彼女が付けていた10カラットのエメラルドのネックレスを誕生日パーティーで公開するという。
市場価値では5億はくだらないと噂されるそのネックレス。もし手に入れることが出来たら……そんな想像をしてしまうだろう。
怪盗であるあなた達は、自然と互いに目を合わせ、こう呟くだろう。
「この宝石を盗みにいかないか」
アジト(潜入前行動)
このパートで行えるのは以下の行動だ。
・一週間後の誕生日パーティーの騒ぎに乗じてネックレスを盗む。そのために必要な情報収集、道具の準備、作戦だてを行える。
・ダイスロールは5回までとする。(1人5回か全員で5回かはPCの技能値に合わせてKPに委ねる)
・インターネットなどで情報を得る場合…★図書館あるいは★コンピューター
・情報屋から情報入手…★交渉技能
・道具の準備…元々所持品にある物であれば準備可能。なければ★幸運or状況に合わせたロール
潜入前に分かる情報
スマラグダスの祈り:昨年カンヌ国際映画祭で優秀賞を受賞した作品。ジャンルは探偵が犯人を暴き出すミステリーもの。探偵役を
エメラルドのネックレス:侑子が所持するそれは俗称「スマラグダス」と呼ばれる。世界的に希少価値の高い傷が非常に少ない状態を保持している。とある宝石鑑定士によると日本円で5億は下らないという噂もある。普段は厳重に貸金庫に保管されており、今回の誕生日パーティーが初の一般公開となる。
エメラルドについて(★知識or博物学or図書館等):エメラルドは内部に特有の傷が無数にあり、それが天然ものの標識となっている。当然傷が少ない方が市場価値は高く、明るく濃い緑色のものが最上級とされる。天然には良質の(傷が少ない)ものがほとんどないため、傷物に科学的処理をして傷を隠したり、石の耐久度を高めたりする。硬度は高い方だが内部の傷の影響から衝撃に極端に弱い。非常にもろく、指輪の台に取りつけるだけで割れることさえあり、職人泣かせの石とされる。10カラットもの大きさのエメラルド自体希少価値が高く、その上傷も非常に少ないため、かの女優が所有するものは鑑定士でさえ値段をつけるのに躊躇するとされる。
石言葉は『幸運』『幸福』『希望』『安定』
誕生日パーティー:一週間後に東京郊外にある大正時代風の洋館『
行動分岐
・予告状を出す→警戒レベル+1。客の中に私服警官や探偵が紛れ込む。※PLにはこの効果を開示しない。
・パーティー前orパーティ中に侵入→パーティ前orパーティ中に侵入へ
・パーティーが終わる頃に侵入→パーティが終わる頃に侵入へ
パーティ前orパーティ中に侵入
翡翠館に辿り着くと、玄関に一人の初老の男が立っている。執事風の装いをしていることからも、この誕生日パーティーを取り仕切る人間であろうことが分かる。
★変装・(怪しい所持品を)隠す:失敗で警備レベル+1
★(潜入の為の)交渉技能:失敗で警備レベル+1。事前準備で不自然でない侵入方法を準備できていればKP判断でロールをしなくても構わない(芸能人を買収し紹介して入る/スタッフの衣装を用意等)。
中に入ればエントランスも兼ねている大ホールで大勢の客が談笑している。入り口からホールを突っ切り真っ直ぐ進むと中央に階段があり、踊り場には巨大な絵画が飾られている。踊り場から左右に階段が伸び、ホールをのぞき込めるようギャラリーがあり、左右にそれぞれ3つ扉が見える。
ホールには酒を提供するカウンターがある他、グランドピアノを設置した演奏スペースもあるようだ。左右に食事が置かれたテーブルが並んでいるが、座るスペースは無いようで立食形式だとうかがえる。カウンターの後ろには扉が2つあるのが見える。
・館内はパーティー中は人の目が多いため怪盗技能などは-10される。
・スタッフとして侵入する場合、状況に応じたロール(★製作(料理)、芸術、DEX×5など)をそれぞれ1回ずつ行う。失敗で警備レベル+1。
・客として侵入する場合、スタッフからの信用を得る必要がある。★交渉技能、APP×5、招待券の偽造等。失敗で警備レベル+1
・2階へ行こうとするPCがいた場合、「2階へ行く人はおらず、階段やギャラリーはホールから丸見えの為行こうとすると目立ってしまうだろう」と行かないよう誘導する。※踊り場にも行けない。
踊り場の絵画に目星:女性の絵が飾られている。聖母マリアだろうか?
会場内では様々な人間に話しかけることができる。
・西園寺、演奏家(ヴァイオリニスト)、執事(マネージャー)以外の人間に話しかける場合は信用が必要。各情報もここで入手が可能。
・スタッフへの交渉技能で執事がマスターキーを持っている情報を得られても良い。
◇客:俳優、舞台関係者、芸能人、作家、記者、警備員
★幸運or信用:失敗で警備レベル+1
★アイデア:予告状を出していた場合私服警官・探偵の存在に気付き警備レベル-1
◇西園寺(スマラグダスを付けている)、ヴァイオリニスト、バーテンダーに話しかけた場合は怪しげな笑みを向けながら「ようこそ私/西園寺侑子の誕生日パーティへ」と歓迎してくれる。儀式に触れない範囲であればある程度会話はできる。あまり深入りしようとするPCがいた場合は「ところで…初めましてよね?お名前は?」と逆に探ることで会話を打ち切らせたりアイデアで「これ以上深入りすると招かれざる客だとバレてしまうかもしれない」と伝えたりして牽制するといいだろう。
★心理学:何か隠し事をしていると感じる。
◇客の中に一人、妙に顔色の悪い男性(ピアニスト)がいる。
ピアニストは儀式が行われることを知っている崇拝者の一人。侑子が愛していた筈の夫を殺害してからは侑子に対する恐怖を覚え、今では教団を抜け出したいと考えている。
話しかけると(話しかけない場合はピアニストから)周囲を非常に気にしながら「あなたはスマラグダスに祈りを捧げますか?」と尋ねてくる。「いいえ」と答えた場合、「これは災いから身を守ってくれます」とエメラルドの指輪を手に入れる。「はい」と答えると顔色を更に悪くし「そ、そうですか……」とそれ以上何も言わなくなる。何かを質問しても「私は…ただのピアニストですので…」と答える。※食い下がろうとするPCがいれば他の
★盗む:魔術書の一部を手に入れる。※ロッカールームのものと同じ
★心理学:何か恐怖におびえているようにみえる。
◇執事:実はマネージャー。
★盗む:翡翠館のマスターキーを盗める。
◇倉庫(カウンターの後ろの扉)
冷蔵庫や食材、酒瓶が置かれている。非常食などの災害バッグも見つかる。
◇スタッフルーム(カウンターの後ろの扉)
ロッカーが置かれているほか、様々な楽器や客のリスト、楽譜などがある。全体的に整頓されている。ロッカーは左端の①②と書かれたロッカーだけ鍵がかかっている。
★鍵開けor鍵を使用:①ロッカーの中に手帳が入っている。
①ロッカー
手帳:西園寺侑子のスケジュールがびっしり書き込まれている。どうやらマネージャーの手帳らしい。読んでいくと、今日のことについても書かれていた。パーティー終了の21時の欄に『絵画の抜け道から森の祭壇へ向かう。絵画の鍵は、ヴァイオリニストの小山さんか西園寺様の演奏で。ピアニストの伊崎は×。曲は…』ここから先は何も書かれていない。
②ロッカー
本:やけに使い込まれた様子のその本は厚い革表紙で表紙にタイトルは書かれていない。その本を見た瞬間、何故か背筋がぞくりと粟立った。触れると【SANc:1d6/2d6】
★INT×2 or 博物学-20:ラテン語で書かれていることが分かる
★ラテン語:「暗い森の中…呪文は必ず祭壇からかけること…新月…生贄はナイフで…清める…石の祭壇」と書かれているようだ。それ以外は分からない。
一通りパーティーを楽しみ、パーティーも終わりの時間に近付く。すると中央の階段に西園寺が登り、観客を見下ろした。その胸元には虹彩を放つ件のエメラルドが輝いている。誰もが西園寺の妖艶な姿と美しい宝石に目を奪われるだろう。彼女は鮮やかな紅をひいた唇を開いた。
「皆さん、本日は私の誕生日パーティーにお越しくださりありがとうございました。とても楽しい時間を皆さんと過ごせました。名残惜しいのですが、そろそろお時間となりそうですのでこうして挨拶をさせていただきます。…皆さん、あともう少しのお時間ですが、どうぞ心行くまで『人生最期の一時』をお楽しみください!」
彼女がそう言い終わるや否や、突然部屋中に煙のようなものが溢れかえる。あっという間もなく部屋中に甘ったるい煙が充満し、それを吸った客が次々と倒れていく。怪盗達の意識も徐々に薄れていく。
指輪を受け取ったPCが最初に意識を戻すと、そこには異様な光景が広がっていた。
翡翠館ホールへ
パーティが終わる頃に侵入
翡翠館の近くまで来ると突然霧が深くなってきた。妙な息苦しさを感じる。全員今後全ての技能が-10される。
★強制聞き耳:周囲に何かの気配を感じる。
★忍び歩きorナビゲート:ばれないように館まで辿り着ける。失敗で警備レベル+1
翡翠館は鍵がかかっている。窓の向こうはカーテンが閉じており中の様子を窺うことができないが、妙に静かだと感じる。
★鍵開け:中に入れる。
★目星:一つだけ鍵のかかっていない窓を見つける。
翡翠館の中に入ると、エントランスも兼ねている大ホールの空気は張りつめている。入り口からホールを突っ切り真っ直ぐ進むと中央に階段があり、踊り場には巨大な絵画が飾られている。踊り場から左右に階段が伸び、ホールをのぞき込めるようギャラリーがあり、左右にそれぞれ3つ扉が見える。
ホールには酒を提供する為だろうか、カウンターがある他、グランドピアノを設置した演奏スペースもあるようだ。左右に食事が置かれたテーブルが並んでいるが、座るスペースは無いようで立食形式だとうかがえる。1階には他に2つの扉があるのが見える。
パーティが終わる時間だから静かなのだとしたらまだいい。しかし、そこには異様な光景が広がっていた。
翡翠館ホールへ
翡翠館ホール
床中を埋め尽くすように大勢の人間が倒れ伏している。どの人間も苦痛に満ちた表情で目を閉じている。【SANc:0/1】
1階
◇倒れている人間:どうやら眠っているようだが、どれだけ叩いても声をかけても起きる気配を見せない。
★目星:西園寺の姿は見当たらない。
◇カウンター:グラスや酒の置かれ具合から、つい先程まで使用されていたのが分かる。カウンターの向こうに扉があり、倉庫となっているようだ。
★目星or床など調べる:カウンター下の床に鍵が落ちている。②と番号のついたタグが付いている。
◇倉庫:冷蔵庫や食材、酒瓶が置かれている。非常食などの災害バッグも見つかる。
◇スタッフルーム:ロッカーが置かれているほか、様々な楽器や客のリスト、楽譜などがある。全体的に整頓されている。ロッカーは左端の①②と書かれたロッカーだけ鍵がかかっている。
★鍵開けor鍵を使用:①ロッカーの中に手帳が入っている。
①ロッカー
手帳:西園寺侑子のスケジュールがびっしり書き込まれている。どうやらマネージャーの手帳らしい。読んでいくと、今日のことについても書かれていた。パーティー終了の21時の欄に『絵画の抜け道から森の祭壇へ向かう。絵画の鍵は、ヴァイオリニストの小山さんか西園寺様の演奏で。ピアニストの伊崎は×。曲は…』ここから先は何も書かれていない。
②ロッカー
本:やけに使い込まれた様子のその本は厚い革表紙で表紙にタイトルは書かれていない。その本を見た瞬間、何故か背筋がぞくりと粟立った。触れると【SANc:1d6/2d6】
★INT×2 or 博物学-20:ラテン語で書かれていることが分かる
★ラテン語:「暗い森の中…呪文は必ず祭壇からかけること…新月…生贄はナイフで…清める…石の祭壇」と書かれているようだ。それ以外は分からない。
※楽譜を探す場合は曲のタイトルを言ってもらう。
◇グランドピアノ:蓋が開いた状態で佇んでいる。高級そうなピアノである。譜面台には何も置かれていない。
★目星:腱板の間に紙切れが挟まっている。「喜びの歌を捧げよ」と書かれている。
★芸術(音楽):ピアノ以外ならスタッフルームから任意の楽器を持ち出して演奏可能。→絵画の鍵が解かれる。
◇階段:階段の突き当たり、巨大な絵画がかけられている壁の前に、花瓶を置くような台座が置かれている。
★目星:台座の上には何もないが、微かに靴の跡が残っている。
★聞き耳:どこからか微かに音が聞こえる。
◇絵画:聖母マリアの絵画が飾られている。聖母の顔が妙に西園寺侑子に似ているように見える。また聖母を取り囲む人々の顔は恐怖に引きつり、見れば見るほど悍ましさを感じさせる。動かそうとするなら何かが引っかかっているような感触で動かせない。
★聞き耳:絵画の隙間から微かに風のようなものを感じる。
★芸術(絵画):ルーベンスの『聖母被昇天』を模した絵画のようだ。
★目星:絵画の裏に留め金のような物が見える。そのせいで絵画が外せないようになっているらしい。
絵画を動かしてみると簡単に外せる。そして絵画の裏にぽかりと空洞が現れた。空洞は人が楽に通り抜けることができそうで、微かに風を感じることからも、この空洞がどこかへ通じているのではないかと思わせる。
→通路を進む場合はクライマックスへ
2階
右側の部屋
★強制聞き耳:どこからか音楽のようなものが聞こえてくる。メロディーがあるように思えた瞬間、それが悲痛な嘆きの音、かぼそい悲鳴のような、或いは狂気じみた笑い声のような耳障りな音に感じられた。それはどこかの部屋からずっと聞こえてくる。【SANc:0/1】
◇客室:鍵は開いている。空き部屋のようだ。手入れはされているようだが使用されている様子はない。
◇衣裳部屋:西園寺のドレスが幾つも飾られている。奥の方には鏡台もあり、様々なコスメが置かれている。
◇書斎:鍵がかかっている。いかにもな蓄音機とレコード、そして本棚が一つある。蓄音機の上にはレコードが置かれ、滑らかに動き音楽を奏でていた。しかしそれは音楽というにはあまりにも奇妙なもので、大勢の人間が甲高い声で不揃いに歌っているかのように聞こえる。【SANc:0/1】
★芸術:クラシックのレコードが幾つも置かれている。蓄音機を操作できる。
★図書館or目星:本は世界各国の写真集のほか、戯曲集、英語やドイツ語の本や辞書らしきものもみられる。
→「Herz und Mund und Tat und Leben」について調べる。
→ドイツ語で「心と口と行いと生活で」というタイトルとなる。同じタイトルの本が見つかる。
→ヨハン・ゼバスティアン・バッハが1723年に主の母マリア訪問の祝日の為に作曲したと推測される教会カンタータ。全10曲からなり、終曲(第10曲)のコラールは『主よ、人の望みの喜びよ』の名で広く世に親しまれている。
左側の部屋
◇私室:鍵は開いている。テーブルとチェア、ヴァイオリン、奥の方には金庫が置かれている。窓はカーテンで覆われている。
★強制目星:カーテンがゆらめいている。窓が微かに開いているようだ。
→外を覗いた場合、窓の外に異様な景色を見る。黒い森の中にゆらめく炎、そして木々の間をずるずると動く巨大な塊のようなもの。それはロープのような腕をくねらせながら、ネバネバしたゼリー状の塊で、蹄と蛇のような腕で這いずる様に此方へ近付いてくる。思わず瞬きをした刹那、その光景は消え去り、眼前には星もない宵闇が広がっているばかりだった。しかし貴方の脳裏には先程の光景が鮮明に焼き付いている。【SANc:1d3/1d10】
・金庫:ダイアル式の金庫である。
★鍵開け:中にエメラルドのネックレスはない。しかし大量の写真が見つかった。
写真は幸せそうに微笑む西園寺侑子と、寄り添うように肩を抱く男性の姿が映っている。幸せそうな夫婦の写真と思しきものが何十枚と剥き出しのまま入っていた。しかし、写真を調べていくと、突然幸福を切り取ったような写真は終わりを告げた。代わりに写っていたのは男の歪んだ、今にも悲鳴を上げようとするかのような顔である。そして次の写真は血塗れになって森の中に横たわる男であった。後半はずっとそういった男の惨殺死体の写真が続いている。【SANc:0/1d3】
◇寝室:鍵は開いている。クイーンサイズのベッドがある。
★目星:ベッドサイドに絵本を見つける。
中を見ますか?→全てのページに黒いクレヨンで足のようなものが沢山ついた生き物らしきものと人型の何かが描かれている。文字は見当たらない。本のタイトルには「Herz und Mund und Tat und
Leben」と書かれている。
◇浴室:鍵は開いている。
バスルームにはカーテンがかかっている。
★強制聞き耳:生臭い。
カーテンを開けると、そこには男がいた。あの時声をかけた/かけてきた顔色の悪かったピアニストである。男は服を着たままの状態でバスタブに全身を真っ赤な水に浸からせている。その表情は恐怖に引きつり、胸元には深々と刃物のようなものが刺さっている。【SANc:0/1d3】
★目星:男の右腕がバスタブからはみ出ているが、そこに何かが握られているようだ。
→①ロッカーの鍵を手に入れる。
◇トイレ:鍵は開いている。やたらと高級感漂うトイレだ。
クライマックス
絵画の裏には真っ暗な通路が伸びている。微かに風を感じることから何処か外へ通じているようだ。
通路を抜けるとそこは森の中であった。鬱蒼と茂る木々と霧の合間を、夥しい数の蝋燭の炎が照らしている。その蝋燭に囲まれている部分だけ空き地のようになっており、そこには三人のフードを被った人間と、石でできた台座のようなものがあった。台座の上には血塗れになった人が横たわっている。遠目で見てもそれが既に息絶えていることが分かる。【SANc:0/1d3】
三人は怪盗達に気付いたようにこちらを振り向く。二人の男と、西園寺侑子であった。西園寺侑子は笑う。「音色が聴こえたから、もうすぐ来てくださるかと思っていたわ」残りの男二人は無表情で怪盗達を見据える。
「折角お越しいただいたのだから、貴方達にはこれから上演する舞台の最初の観客になってもらいましょう。舞台の名前は…『偉大なる我等が神、千の仔を連れた森の黒山羊の復活祭』よ!」
そう言うと侑子は笑いながら何かを唱え始めた。二人の男が侑子を守るように立ちはだかる。
戦闘開始。
◆ステータス
西園寺侑子
STR7 CON10 POW10 DEX11 APP16 SIZ16 INT18 EDU14 SAN50
耐久力13 MP10 db0
呪文:魅惑50%(p288)
回避30%
魅惑が成功すると対象者に芸術系の技能を振らせる。
その後は黒山羊召喚の呪文を詠唱する。3ラウンド後黒山羊が召喚される。→(p177)
マネージャー
STR12 CON12 POW10 DEX15 APP6 SIZ13 INT11 EDU14 SAN50
耐久力13 MP10 db+1d4
回避30% こぶし50%
侑子への攻撃を優先的に庇う。
ヴァイオリニスト
STR14 CON9 POW8 DEX10 APP11 SIZ15 INT13 EDU16 SAN40
耐久力12 MP8 db+1d4
回避30% 杖45%
侑子への攻撃を優先的に庇う。
◆戦闘終了
・殺害してしまった場合【SANc:1/1d3】
・三人は倒れ伏し、動かなくなった。西園寺も血塗れの祭壇に寄り掛かり目を閉じている。その手はまるで祈りを捧げるように胸元に当てられ、その白い指の間から翡翠の宝石が覗き見えている。
→スマラグダスを盗むか盗まないか
ふと辺りを見渡すと、視界が開けてきていることに気付く。どうやら霧が晴れたらしい。何時の間にか館の方も騒がしくなってきている。これ以上ここにいるのは危険だと怪盗の本能が告げるだろう。
END分岐
※黒山羊が召喚された場合、黒山羊からの攻撃で自動ロスト/黒山羊も含め戦闘続行/逃走等その後の処理はPLの技能値やKP判断で自由に行ってよい。逃走を図る場合、DEX対抗などロールに成功したら逃走を図れることにすると良いだろう。
①戦闘に勝利した+警備レベルが7以上
②スマラグダスを盗めた
③ロスト
④逃走
①警戒レベルが7以上
その場から離れようとしたところで、突如怪盗達をまばゆいライトが照らした。
「とうとう見つけたぞ!怪盗団『×××』!お前達は既に包囲されている!」
いつの間に足を掴まれたのか、怪盗達の周囲を警官が取り囲んでいた。
★幸運or所持品or怪盗技能:その場から上手く逃げ出せる。スマラグダスを盗み逃げ出した場合は②スマラグダスを盗めたへ
②スマラグダスを盗めた
翡翠館から何とか逃げ出し、怪盗達はアジトに帰り着いた。
西園寺侑子が何をしようとしていたのかは未だに分からないが、言い表せない悍ましいことを行おうとしていたのは間違いないだろう。
不思議な事に、西園寺侑子の誕生日パーティーでの出来事は、館内でのガス漏れによる事故として報道され、あの儀式のことは揉み消されでもしたかのように一切表沙汰にされなかった。自分達が遭遇したあの出来事が一体何だったのか、それを知る術はもはやない。
とはいえ今回も自分達は警備/警察の目をかいくぐり件の宝石を手に入れることができ、更には滅多にないスリルまでも味わうこともできた。これ以上はない成果に怪盗達は勝利の美酒を味わうことだろう。
③ロスト
スリリングな経験は何度も経験してきた。時に死線を掻い潜ったこともあるだろう。今まで感じたことのない激しい痛みに意識が遠のいていく。
「それでは…第一幕、開園ですわ」
狂ったように笑う女の声が聞こえる。
己の身体がどうなったのかを知る前に、貴方達の意識は完全に闇へと落ちた。
④逃走
深い霧と暗い森の中を全速力で駆け抜ける。気付けば森を抜けていた。
何とか逃げ切れたか、そう安堵するより先にパトカーサイレンの音が聞こえてくる。
警察がこちらへ向かってきている。
この場に留まり警察へ事情を説明するのも可能だ。しかし信じてもらえるだろうか。もし戻ることになれば今度こそ命を失うかもしれない。
赤いパトライトが徐々に近づいて来る。この場を去るのか、警察に協力するのかは貴方達次第だ。
報酬
生還:1d6
予告状を出した:1d3
パーティーに参加した:交渉技能のうち一つを+10
スマラグダス:持ち主の魔力を高め、魔除けとしても使用される。装備していればPOW+1される。
怪しい本(妖蛆の秘密の一部):黒山羊に関する部分のみ抜粋された本。クトゥルフ神話+6。48週間かければ黒山羊の召喚の呪文を覚えられる。
あとがき
著作権表示
本作は「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by
Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
2021/09/15 掲載