ドリーズ・ドリーム
-Detective Edition-
Dolly's Dream -Detective Edition-
事前情報
舞台:2016年イギリス
ジャンル:クローズド
推奨人数:1~4人
プレイ時間:2~3時間
推奨技能:基本探索技能、戦闘技能、医学、薬学
振りどころのある技能:交渉技能、鍵開け、心理学
探索者設定:同じ探偵事務所の人間であること。母国語が英語以外であれば英語技能を振って貰う必要が生じる。
注意:戦闘及びロストの可能性あり。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称などは実在のものとは一切関係なく、この物語を通じて実際の人物・団体・名称に影響を与える意図はありません。
《あらすじ》
ある日、あなた方の探偵事務所に旧知の友から連絡が届いた。
「君たちの腕を見込んで頼みがある。人探しを手伝ってくれないか」
よくある行方不明の捜索かと思ったが、その依頼内容はどうやら少しいつもと違う。
友からの依頼を受けたあなた方はスコットランドの片田舎へと向かうのだった───。
真相
エディンバラ研究所では20年前(1996年)に再生技術によるクローン生物を創り出す実験を行っていた。その成果の一つであるクローン羊のドリーは世界中に衝撃を与えたが、すぐに倫理的な観点から研究はそれ以上の着手を許されず中止となってしまった。クローンのドリーもすぐに死んでしまい、研究所も研究自体も国によって潰されることとなった。しかし当時研究をしていた人物の一人であるアーノルドがクローン人間を創り出すことを夢見る狂人であり、こっそりと立ち入り禁止となった研究所でクローンの研究を続けていた。その過程で1997年にヘビ人間を信仰する教団と出会い、魔術を習得する。アーノルドは自分の力を世界に認めさせるため、元研究チームのリーダーであり応用発生学の権威となったオスカー・ウィルムットのクローンを創り出した。
クローン・オスカーはオリジナルと同じ知能を持ちながらも邪悪な思考を持って生まれ、生みの親であるアーノルドを呆気なく殺害し、人類全てをクローン人間に置換する計画を立て始めた。
オリジナル・オスカーは発生学の権威であるため、クローン・オスカーもその地位を利用してクローン人間を増生しようとしている。ただし今回のシナリオ内では登場しない。
今回の依頼で探すこととなったドリー・マクラウドもまたクローン人間によって誘拐され、シナリオ開始時には既にクローン・ドリーが完成している。ドリーは研究所で最低限の人間らしい生活の仕方を習得してから街へ戻る予定でいた。
NPC
ドリー・マクラウド(クローン)
マクラウド家の娘のクローン。人間的な倫理観は破綻している。
アッシュブロンドの巻き毛に真っ黒い瞳を持つ。13歳。
ナイフを隠し持っている。
ジェイムス・グリーンリーフ
探索者の友人でありスコットランドヤードでもある。エディンバラ周辺地域で謎の失踪事件が多発しているが、その捜査が思うように進まないことに疑念を覚え、探索者に調査を頼んだ。
本編
導入 探偵事務所
あなた方はロンドンの片隅で探偵事務所を開いている。最近ではその活躍ぶりからイギリス内でも知る人ぞ知る名探偵としてその名が知られており、時には警察からの依頼も来るほどの盛況ぶりである。
今日もちょうど一件の大きな依頼を終え、あなた方は一息ついたところだ。急ぎの依頼もなく、久しぶりに落ち着いてティータイムを楽しむ昼下がりになりそうだ。
※RP可。
さて、休憩途中にふと事務所のメールボックスを開くと、新しいメールが一件届いていた。差出人はあなた方の旧知の友で、今はスコットランドヤードとして多忙の日々を過ごすジェイムス・グリーンリーフである。
件名には『君たちの腕を見込んで頼みがある』とあった。
ジェイムスからのメール
件名:君たちの腕を見込んで頼みがある
やあPC君たち、元気にしてるかい?ここ最近、君たちの事務所の名をよく耳にするよ。随分活躍しているみたいで友人としても鼻が高いな。
さて、そんな君たちに頼みがある。エディンバラの郊外で起こっている連続失踪未遂事件の真相を解いてほしい。
実は何年も前から『人が消えては戻ってくる』という不可解な事件が起こっているんだ。
事件の流れはいつも同じで、ある日脈絡なく人が消える。街のどこを探しても見つからず、スコットランドヤードも手掛かりを掴めなくてね。
しかし失踪した人間は一週間前後で傷一つなく戻ってくるときたもんだ。失踪者の誰もが失踪期間のことを一切覚えていない上に、警察もどこかから圧力をかけられているらしい……捜査に積極的ではないのが現状だ。
直近で分かっているのは、ポール・マクラウド家の一人娘であるドリーという13歳の少女が4日前に行方不明となっていることだ。
戻ってきた時点で手掛かりが得られないなら、それより前に見つければ何か得られるのではって考えていてね。
連続疾走未遂事件の真相の解明、先立って行方不明になった少女ドリーを探してほしいんだ。
もし引き受けてくれるなら詳しい話がしたい。
メールの最後には待ち合わせ場所が記載されている。
(RPの後)あなた方は依頼を受ける旨を返信し、ジェイムスが待っている待ち合わせの場所へ向かった。
ここから先はシナリオの都合上、分断行動は禁止とする。
必ず団体で行動するよう明言すること。
エディンバラ
エディンバラはスコットランドの中でも大きな都市のひとつである。その駅の近くにあるカフェであなた方はジェイムスと落ち合った。
ジェイムスはつい先日昇格したばかりで、いくつか大きな事件に関わっていることもあり、非常にくたびれた様子で、それでもあなた方の来訪を喜んでくれた。
ジェイムズからの情報
※RPなどで以下の情報を伝える。
・マクラウド家は捜査に協力的である。家に行けば話を聞くことができる。
・街の人やドリーの友人などに話を聞いたが、有力な情報は得られなかった。
・数週間前に失踪した女性の夫が、エディンバラ郊外にある『エディンバラ研究所』という廃墟から妻が帰ってきたと証言しているが、ジェイムスには時間がなく現地の調査はできていない。
・当件について警察はなぜか積極的ではない。どこかから牽制されているに違いないとジェイムスは考えている。
・ジェイムスは自身の立場上これ以上の調査ができず、また当件に関してヤードを当てにすることもほぼ不可能である。
ジェイムスは伝え終わると「後は頼んだよ」とカフェを後にした。
以降【マクラウド家】【市街】【エディンバラ研究所】へ行ける。
※ただしエディンバラ研究所は市街から車で20分以上進んだ先にあり、向かった場合他の探索箇所へ移動することは出来ない。
マクラウド家
訪ねると出てきたのはポールの妻だという女性だ。ジェイムスから事前に連絡が行っていたようで快く招き入れてくれる。彼女は「夫は病気で臥せっていまして…」と代わりに対応してくれるようだ。
★目星:ドリーの部屋からは、ドリーが家出や非行に走るような様子は微塵も感じられない。
★経理学:マクラウド家はごく一般的な家庭で、身代金などを要求できるような裕福層には見えない。
★信用:ドリーは学校から帰る途中の、友達と別れた後にいなくなった。その時持っていた筈の鞄も見つかっていない。友達もドリーの行方を知らない。
市街
※プレイ時間を3時間以内におさめる場合、ここでの探索は振れる技能を提示して情報開示をしていくと良いだろう。
もし時間に十分な余裕があれば、町の住人とRPを交えながら情報を開示していっても良い。
★説得or信用:まるで町の人間が意図的に隠しているかのようにドリーの足取りを掴むことができない。
★聞き耳:誰かが自分達を見つめている気がする。それも何人もの目が、自分達をじっと観察しているような感覚だ。
※街の人間の半分が既にクローンにすり替わっていることの暗示
★交渉or図書館:エディンバラ研究所はこの町から丁度車で20分進んだ山奥にある。20年ほど前になにか問題があったようで、それ以来立ち入り禁止となっている。事件の内容は明かされていないが、命に関わる研究をしていたと噂されている。その当時勤めていた研究員も皆消息不明とのことである。
エディンバラ研究所
街からだいぶ離れた森の中にその研究所は佇んでいる。物々しい塀で囲まれており、門の横には『エディンバラ研究所』と刻まれている。立ち入り禁止の禁止線が張られているが、20年前からずっと付いているのか、だいぶボロボロになっている。門は少し隙間が空いており、難なく中へ侵入できそうだ。
建物
門から真っ直ぐに進むと正面の玄関に辿り着く。建物全体はそれほど広くないが、建物が2つ連なり、間は連絡通路のようなもので繋がっている。本館と別館のように見える。本館の方には1階の半分の広さの2階がある。そして本館と別館の間には小さな庭園がある。
【探索箇所:入口、窓、周囲、庭園】
入口
立入禁止の看板と禁止線がはられており、扉には頑丈そうな鍵がかかっている。
※鍵開けや破壊でも開けられる。扉を壊す場合はSTR対抗(錠前STR:8/扉STR:10)
窓
どの窓もしまっており、内側から鍵がかかっている。
周囲
庭園側から渡り廊下へ入る扉は鍵がかかっていないことに気付く。
★目星:生い茂る足元の雑草に誰かが此処を通ったような痕跡を発見する。どうやら最近の物のようだ。
★聞き耳:木々のさざめく音に紛れて、ひそひそと囁くような声が聞こえた。
庭園
雑草が生い茂る中、色とりどりの花が咲き乱れている。その庭園の花々に紛れて四角く平べったい石が見つかる。それは自然にできたものではない綺麗に石工された石で、まるで意図的に隠されていたかのような見づらい場所にあった。良く見ると十字架のような彫刻が施されており、それが何かの墓だろうということは、すぐに予想がついた。
★目星:何年も前に建てられた墓のようだ。隅の方は苔むしている。名前の部分を良く調べると『ドリー』と書いてある。
墓を暴く:中には朽ちた骨と毛のような塵が入っていた。
★生物学:この骨は人間のものではなさそうだ。骨だけでなく角のようなものもある。
研究所内:本館
明かりがついておらず、建物の外も木々で生い茂っているせいか建物内に入る光が少なく全体的に薄暗い。入って右手に受付があり、壁に簡単な所内図が掲示されている。
★目星:久しく使われていない施設のはずだが、足元は埃が払われている。
【探索箇所:受付、所長室、再生技術研究所、薬品保管室、資料室、ミーティングルーム、病理室、ロッカールーム、別館】
※受付窓口、連絡通路-本館、所長室、ミーティングルーム以外は鍵がかかっていて入れない。
※本館と別館をつなぐ渡り廊下は、本館側の鍵は開いているが別館側は鍵がかかっている。これはドリーからもらう鍵でないと入れない。
※1枚目は背景透過版、2枚めは背景に色がついているものです。内容自体は同じなのでお好みの方をお使いください。
受付
扉は半開きで中に入れる。中にはデスクやスチール棚、そして空の段ボールが乱雑している。
【探索箇所:部屋全体、デスク】
部屋全体
★目星:ブレーカーを見つける。試しに上げてみると、所内の電気がついた。
デスク
端のデスクの上に古びた張り紙が置いてある。また引き出しには小ぶりの金庫が入っていた。金庫は鍵がかかっておらず、中身も空である。
古びた張り紙
「メイソン・キャンベルのレポート紛失事件及び研究
※母国語が英語でない探索者は★英語で読める。
所長室
扉は空いている。中は大きなデスクと、来賓用と思われるテーブル、ソファが置いてある。使われている様子はなく、埃とカビ、そして蜘蛛の巣に覆われている。
【探索箇所:デスク】
デスク
★目星あるいは宣言:引き出しの中に鍵束(マスターキー)を発見する。→所内全ての部屋を開けることが可能になる。
ミーティングルーム
鍵はかかっていない。『ミーティングルーム』と書かれたプレートが下げられている。
中に入ると使用した形跡のある黒板が壁にあり、長机の周りには椅子がいくつか置いてある。
するとガタリと隅で物音がした。音の方を見ると机の影に隠れているようだ。
見るとそこにはアッシュブロンドのショートヘアに黒い瞳、今時のブラウスを着た少女が立っていた。あなた方を見る少女の目は驚きに満ちている。
※マクラウド家にてもし写真を見た・入手していた場合、彼女の容姿が行方不明中のドリー・マクラウドと一致すると気づく。
【探索箇所:スチール棚】
少女
・少女はドリー・マクラウドと名乗る。
・何故ここに自分がいるのか分からない。気づいたらこの施設に閉じ込められていた。
・自分をここに閉じ込めた人物は分からない。
・自分は別館の方向からこちらに逃げてきた。その時別館で別の女の子の「助けて」という声も聞いた。
★目星:彼女の服装の端に黒ずんだ染みを見つけた。最近ついたもののようだ。(染みについてドリーに尋ねても「分からないわ」と答える。)
★心理学:(失敗)自身の置かれた状況に不安そうな表情をしている。(探索者が自己紹介やドリーを探しに来たと伝えていれば)最初こそ警戒されていたが、今はだいぶ薄らいでいるようだ。
(成功)自身の置かれた状況に対しあまり不安がっていないように見える。
※これ以降少女が探索に同行する。
スチール棚
何冊かファイルが残っている。
宣言か★目星:中を覗くと、キッチンでの調理器具・トイレ・辞書・夜の過ごし方など、日常生活に関する雑多な知識が事細かに図解入りで書かれている。
ファイルの内容に★アイデア:この知識は一体誰に向けて書いているのだろうか。まるで大の大人に人間の歩き方を教えているかのような丁寧さにかえって違和感を覚える。
※部屋から出るときにランダムで1人にドリーがぶつかってくる。「ごめんなさい、うっかりしてたわ」と言う。
※このときにぶつかった探索者のDNAを採取している。探索者は採取されたことに気づかない。
※ドリーからの「別館で別の女の子の「助けて」という声も聞いた」を受け1階の探索より別館へ行こうとするPLもいるだろう。別館の中へ入るとドリーと別れてしまい探索者のDNA採取を出来なくなってしまうため、可能であれば別館より先に1階の探索をするよう誘導できたら良い。
資料室
鍵がかかっている。(マスターキーで)中に入ると、棚が並べられており雑誌などが収められている
【探索箇所:資料】
資料
様々な資料が置いてある。医学的な内容が多いように見える。
★目星:最近の新聞が見つかる。
★図書館:20年前の研究に関する資料が見つかる。
20年前の研究に関する資料
1997年2月22日、オスカー・ウィルムット博士らが発表した報告は、全世界に衝撃を与えた。しかしその反応は研究者の予想を遥かに上回る形で批判的であった。同月27日に米大統領は本研究の悪用防止を目的に、生命
イギリス政府はそれを承諾し、全研究員を一定期間学会から除名処分とし、更に同分野における論文発表を禁止した。
※ドリーと共にこの部屋へ入った場合、部屋から出る時にDNAを採取していない探索者にランダムでドリーがぶつかってくる。「ごめんなさい、うっかりしてたわ」と言う。
※ぶつかった探索者のDNAを採取している。
薬品保管室
鍵がかかっている。扉には『薬物保管室』と書かれたプレートが下げられている。
(マスターキーで中に入ると)中には様々な器具や瓶が陳列されている。
【探索箇所:棚、薬品】
棚
点滴や注射器など、薬を摂取するのに必要な器具も一式揃っているようだ。
薬品
様々な薬瓶が入っている。どれも中身は液体のようだ。薬の名前は知らないものが多い。
★薬学:半分以上が人間に使う薬品でないと分かる。動物用の薬品である。
★目星:おそらく20年前から埃を被っている薬品に混じり、つい最近加えられたような薬品も混在している。
※ドリーと共にこの部屋へ入った場合、部屋から出る時にDNAを採取していない探索者にランダムでドリーがぶつかってくる。「ごめんなさい、うっかりしてたわ」と言う。
※ぶつかった探索者のDNAを採取している。
ロッカールーム
『ロッカールーム』と書かれたプレートが下げられている。鍵が掛かっている。
(マスターキーで中に入ると)中に入ると、埃まみれのロッカーがいくつかある。
【探索箇所:ロッカー】
ロッカー
両サイドの壁に細長い一般的なロッカーが置かれている。すべて扉が開かれた状態である。
★目星:メイソン・キャンベルと札が入ったロッカーに小さめの鍵が見つかる。
※研究室のスチール棚の鍵
研究室
鍵がかかっている。『再生技術研究室』と書かれたプレートがついている。
(マスターキーで中に入ると)中央には数台のデスク、そして壁一面にスチール棚が並んでいる。
【探索箇所:部屋全体、デスク、スチール棚】
部屋全体
★目星:使われていない筈の部屋だが、所々靴跡のような不自然な足跡がみられる。
デスク
メイソン・キャンベル、オスカー・ウィルムットなどデスクの所有者と思われる名前の三角板がデスク上に置かれている。
スチール棚
棚の上部はガラスの戸になっているが、中身がないことが分かる。どうやら資料はあらかた撤去されてしまった様子である。そんな中スチール棚の一つに鍵がかけられているのを発見する。その取っ手や鍵穴は不自然に埃が取り払われ綺麗だ。
ロッカールームの鍵か★鍵開け:多くのファイルが詰め込まれている。その中身は高度な専門用語が並び、一般的な知識では何が書かれているかまではよく分からない。
ファイルに★図書館or★医学:20年前に一部界隈で話題となったクローン技術に関する研究の資料だと分かる。『クローン技術に関する資料』を見つける。
クローン技術に関する資料
【手順】
1.Aの乳腺から
2.Bの子宮から未受精卵を取り出し、核を除去する。
3.未受精卵に乳腺細胞を
4.融合した細胞をCの子宮に移植する。
【考察】
・この手順であれば理論上無制限にクローンを作れる。
・遺伝的には元の動物と全く同じコピーであり、理想とするクローンの状態に限りなく近い。
【問題点】
・人間で採用した場合の出産までの母体・胎児のリスク。
・クローンの年齢はどのようにカウントすべきか。
・クローンの老化や
※ドリーと共にこの部屋へ入った場合、部屋から出るときにDNAを採取していない探索者にランダムでドリーがぶつかってくる。「ごめんなさい、うっかりしてたわ」という。
※ぶつかった探索者のDNAを採取している。
病理室
鍵が掛かっている。『病理室』と書かれたプレートが下げられている。
(マスターキーで中に入ると)独特の臭いが鼻を突く。気持ちの悪い生臭さと薬品臭さが混じったような臭いだ。そのにおいの元は注意せずとも目に入ってくる。部屋の中央には大きな台が置いてあり、その上に白いマネキンのようなものが横たわっていた。
【探索箇所:マネキン】
マネキン
近づいてみれば、それはドラマで見るような検死体のようでもあり、マネキンというにはあまりにも生々しさのある裸体だ。血の気の失せた青白い肌からは変わった臭いがする。あまり良い印象は受けない。【SANc0/1d3】
★目星:頭部に切って縫合したような痕がある。
★薬学:ホルマリンの臭いがする。
培養室
鍵がかかっている。扉は厚みがありそうで、中から物音は一切聞こえない。
宣言か★目星:鍵を差し込んだ上で8桁のダイアルを所定の数字にすれば開くようだ。
★鍵開け:通常技能では自動失敗。
※鍵とダイアル番号が分かり中に入る場合はクライマックスへ
別館(収容所)
鍵が掛かっている。持っている鍵では開かない。ドリーがいると「さっきそのあたりで拾った」と言って別館の鍵を取り出し、鍵を開けてくれる。※ドリーは元々鍵を所持していた。
別館内は本館に比べ薄暗く、足元も見づらい。窓がなく、照明も他に比べ乏しいせいだろう。中に入ろうとすると、ドリーが「ここに入るのはなんだか怖い。私はここには入りたくない」と言って渡り廊下で立ち止まる。
※別館内へドリーは入らない。また別館への鍵も渡してくれない。
※別館内を探索する組とドリーとともに残る組で別れると進言があった場合、はじめに伝えた分断行動は禁止の旨を再度伝える。
全員が別館に入ったその時、後ろから大きな音が鳴った。振り返ると、先程まで開け放たれていた扉がぴったりと閉じられている。内側からの鍵は持っている鍵では開かない。
※ドリーに声をかけても既にドリーはいないので反応がない。
【探索箇所:全体】
全体
別館内はパッと見て8つの小部屋があるようだ。どの部屋も小窓のある扉がはまっており、中の様子は確認できる。どうやら5つの部屋は空のようだ。壁に各部屋の鍵がかけられている。
★聞き耳:肉が腐ったような匂いがする。
★目星:少女はおろか、この別館内に人の気配は一切ない。
★アイデア:別館は最初鍵がかかっていた。また各部屋も別館内で見つけた鍵でしか開きそうにない。だがそうするとドリーはどうやって別館から脱出できたのだろうか。
【探索箇所:小部屋1、小部屋2、小部屋3】
小部屋1
中には誰もいない。大きなコンテナがひとつ設置されているのみである。ふと足元でカランと音が鳴った。拾い上げて見るとそれは汚れた鍵であった。
※この鍵で別館の内鍵を開けることができる。
コンテナ:中を見るとそこには目を疑うような光景があった。何人もの人間の死体がそこに詰め込まれている。血に塗れたそれらの全てがなぜか一糸まとわぬ姿で、どれもが悲痛に満ちた表情でそこにはあった。奥の方の死体は半ば腐っており、ブヨブヨとした肉に何匹もの
★目星:一人の死体に目が留まった。アッシュブロンドの巻き毛に濁った瞳の少女。とある人物と一致する特徴に、あなたは気づいてしまう。しかし、もしこの少女が「そう」なのだとすれば、先程まで一緒にいた「ドリー」は一体…。【SANc:1/2】
小部屋2
中には誰もいない。古ぼけて誇りをかぶったノートが散らばっている。
ノート
タイトルの代わりに〔19960705〕という数字が書かれている。
始めは何かの研究に関する記録が記載されているが、途中から字体が乱雑になり苛立ったような筆者の感情が書かれている。
「オスカーもメイソンも、イギリス政府も腰抜けの間抜けの臆病者だ!何故クローン技術の重要性と偉大さを理解できない!あんな屑共など、共に肩を並べて研究するに値しない!見ていろ、必ずこの私がドリーに勝る生物を、新しい人類を生み出してみせる!」
小部屋3
中には誰もいない。壁が赤黒く汚れている。
★目星:よく見ると壁に赤黒い液体のようなもので文字が書かれている。
「たすけて」「かみさまたすけて」「もういやだ」「どうしてこんなめに」
★アイデア:壁から錆びた鉄のような嫌な臭いがしている。これは血で書かれたものなのではないか。【SANc:0/1】
★目星:小さな鞄が落ちている。鞄の中にはメモ帳が入っている。中は白紙だったが、最後から2枚目のページに殴り書きで何かが書かれている。
「たすけてかみさま わたしが わたしを ころしにくる」
別館から抜け出す
鍵を差し込み扉を開けようとしたその時、本館の方からバタバタと足音が聞こえ、次いで向こう側から鍵を回す音が聞こえた。
思わずあなた方が
戦闘:男(クローン)×3
※男の人数は探索者の人数などで調整すること
STR6 CON7 POW6 DEX6 APP5 SIZ10 INT5 EDU6
SAN30 幸運30 耐久力6 MP6 db-1D4
回避30% 組み付き30% 鉈25%(1d8+2+db) 注射器の使用 25%
注射器が成功した場合:クロロホルムのPOT対抗(ルルブp.63)
オリジナルの人間を殺害&死体処理用のクローン。失敗作で知能は非常に低く、発声機能に乏しい。交渉技能などは一切通用せず、
ココフォリア用キャラ駒出力データは出来ます。
ココフォリアの盤面上で貼り付けすると駒が生成されます。
◆戦闘勝利→クローンは動かなくなる
◆戦闘敗北→END C
クライマックス(培養室)
所長室で見つけた鍵を差し込み、ダイアル番号「19960705」を入力するとガチャリと鍵の開く音がした。
中に入ると、廃墟となった研究所には似つかわしくない、最新鋭の機械と怪しげな魔法陣で部屋が埋め尽くされている。それらは何かを製造する機械のようで、部屋の中央には人が一人楽に入れそうな大きさのカプセルがいくつか設置されていた。そしてその周りに、マネキンのような真っ白い作業服を着た人間が複数人、機械を操作している。中央で周囲に指示を出しているのは、先程見失ったはずのドリーだった。
扉が開いた音に気付いたドリーはあなた方を見て首を傾げた。
「え、なんでここにいるの?どうやって出てきたの?なんで、どうして死んでないの?ちょうど『代わりのニンゲン』を作ったところだったのに。もうあなたたちはいらないのに…邪魔よ、あなたたち。もう代わりはいるんだから、ちゃんと死んでちょうだい。皆、この邪魔なニンゲンを殺すわよ!」
ドリーが宣言すると、作業服の人間がスッとドリーの周りに集まってきた。その顔はドリーと全くと言ってよいほど瓜二つの顔をして、
戦闘開始。
クローン・ドリー
STR13 CON11 POW12 DEX12 APP13 SIZ12 INT16 EDU9
SAN60 幸運60 耐久力:12 MP12 db1D4
回避50% 組み付き30% ナイフ45% 投擲(薬瓶)30%
3ターン後に探索者1人のクローンをカプセルから起こす。クローンPCはその後戦闘に参加する。
ココフォリア用キャラ駒出力データは出来ます。
ココフォリアの盤面上で貼り付けすると駒が生成されます。
クローン製造作業員×2
※クローンの人数は探索者の人数などで調整すること
STR10 CON10 POW12 DEX10 APP13 SIZ12 INT9 EDU9
SAN60 幸運60 耐久力11 MP12 db0
回避30% 組み付き30% こぶし50%
基本的に機械とドリーを守る行動を取る。
ココフォリア用キャラ駒出力データは出来ます。
ココフォリアの盤面上で貼り付けすると駒が生成されます。
クローン探索者
3ターン経過で探索者のクローンが1人追加される。自分にうり二つの動く人間を見ることで【SANc:1/2】
基本的に探索者のキャラシのステータスに従う。戦闘技能は-15%でランダムに行う。
※DNA採採取できた探索者のクローンのみが追加される。
戦闘終了
戦闘敗北→END C
戦闘勝利→動かなくなったドリーたちの向こうで巨大な機械が鈍い駆動音をたてている。これがこの事件の元凶なのだろう。
◆最終行動の確認
①ドリーをどうするか
②機械をどうするか
END分岐
END A-1:培養室の機械を壊す&ドリーを殺さない。
END A-2:培養室の機械を壊す&ドリーを殺す。
END B-1:培養室の機械を壊さない&ドリーを殺さない。
END B-2:培養室の機械を壊さない&ドリーを殺す。
END C:戦闘で敗北。
END D:培養室に入らずに帰還する。
END A-1 【ドリーは檻の中】
あなた方は諸悪の元凶であろう機械を壊した。これでもうこの機械から気味の悪い人間が生み出されることはないはずだ。
動かないドリーや作業員を拘束し、あなた方は町へ降りジェイムスに連絡した。あなた方の話にただならぬ雰囲気を感じ取った友はさして間を置かず駆けつけてくれることだろう。しかし、エディンバラ研究所から見つかる死体の数々、人智を超えた機械と魔法陣、そして死体と同じ顔をした町の人間の正体を説明しその全てを解明するのには、この事件を目の当たりにしたあなた方でも長い時間を要することになるだろう。
ただこの事件以来、町での奇妙な失踪事件はぱったりと止んだらしいことはあなた方の心を幾分か軽くした。
END A-2 【ドリーは永遠の眠りについた】
あなた方は諸悪の元凶であろう機械を壊した。これでもうこの機械から気味の悪い人間が生み出されることはないはずだ。
あなた方は町へ降りジェイムスに通報した。あなた方の話にただならぬ雰囲気を感じ取った友はさして間を置かず駆けつけてくれることだろう。警察にその後を任せ、あなた方はマクラウド家でドリーの帰りを待つ両親の元へ向かった。両親を納得させるのには、数々の事件を解明してきたあなた方であっても長い時間と労力を使うことになるだろう。
やがてジェイムスから、事件はとある方面からのお声がけによって捜査を打ち切ることになったという連絡をもらった。なんとも釈然としない終わりだが、この世にはそういう「解決してはいけない事件」がある以上、仕方のないことだろう。
ただこの事件以来、町での奇妙な失踪事件はぱったりと止んだらしいことはあなた方の心を幾分か軽くした。
END B-2 【ドリーの夢は続く】
動かないドリーや作業員を拘束し、あなた方は町へ降りジェイムスへ通報した。あなた方の話にただならぬ雰囲気を感じ取った友はさして間を置かず駆けつけてくれることだろう。そしてエディンバラ研究所から見つかる死体の数々、人智を超えた機械と魔法陣、死体と同じ顔をした町の人間の正体を暴こうとするはずだ。しかし、捜査は突如として打ち切られあなた方もそれ以上の介入を拒まれることとなる。釈然としない思いになるが、この世にはそういう「解決できない事件」がある以上、仕方のないことと割り切るしかないのだろう。
あの町では未だに奇妙な失踪事件が続いているらしい。それは止むことなく徐々に範囲を広げている。明日には自分が、あるいは隣の仲間が、自分と同じ顔をした別の何かにすり替わっているかもしれない。それを止めるにはあなた方はほんの少し無力だった。
静かな不安と恐怖を抱えながら迎えた夜の向こうで、夢の中のドリーが嗤っていた。
END B-2 【ドリーは夢を託した】
あなた方は町へ降りジェイムスへ通報した。あなた方の話にただならぬ雰囲気を感じ取った友はさして間を置かず駆けつけてくれることだろう。警察にその後を任せ、あなた方はマクラウド家でドリーの帰りを待つ両親の元へ向かった。両親を納得させるのには、数々の事件を解明してきたあなた方であっても長い時間と労力を使うことになるだろう。
やがて友から、事件はとある方面からのお声がけによって捜査を打ち切ることになったという連絡をもらった。なんとも釈然としない終わりだが、この世にはそういう「解決できない事件」がある以上、仕方のないことだろう。
あの町では未だに奇妙な失踪事件が続いているらしい。それは止むことなく徐々に範囲を広げている。明日には自分が、あるいは隣の仲間が、自分と同じ顔をした別の何かにすり替わっているかもしれない。それを止めるにはあなた方はほんの少し無力だった。
今日も静かな不安と恐怖を抱えながら迎えた夜の向こうで、自分と瓜二つの人間を夢に見ることだろう。
END C 【ドリーの夢に沈む】
あなた方は意識を失いその場に倒れ伏した。身体の痛みも嘲笑も徐々に遠く闇に呑まれ消えていく。そのうちに心臓もその動きを止めるだろう。
だが、あなた方がいなくなっても、誰もそのことに気付くことはない。何故なら『あなた方』は1週間依頼をこなした後に何事もなかったかのように探偵事務所へと帰りついたからである。
『あなた方』は探偵事務所という根城を武器に、今後も活動を続けていくだろう。その陰にはいつもエディンバラ研究所とドリー、そして巨大な陰謀がいることを、『あなた方』のクローン以外知る
→ロスト
END D 【ドリーの夢に堕ちる】
あなた方は一旦態勢を整えるためにエディンバラ研究所を後にした。薄暗い森の中を車で一直線に進み、やっと街並みが遠く見えてきたところで、急に視界が大きく遮られた。何かがフロントガラスに落ちてきたのだ。慌てて急ブレーキを踏み車を止める。落ちてきた何かがニタリと笑った。それはあの研究所で出会った男と瓜二つであった。驚くあなた方の車の周りに、ぞろぞろと人々が集まってくる。どの人間も仮面を貼り付けたように無表情で、何人かは鏡に映したかのように瓜二つの顔かたちをしている。
フロントガラスに貼りついていた男が小さなハンマーでガラスを叩き割った。すぐさま他の人間が車に押し寄せ、あなた方に何かスプレーのようなものを噴射する。それを避けられるわけもなく、あなた方は急激な眩暈とともに意識を失っていった。
次に目を覚ました時、探索者達はどこか見覚えのある部屋にいた。それはあのエディンバラ研究所にあった監獄のような部屋の中であった。牢屋の向こう側でマネキンのような青白い人間が
何が起きているのか、これから何が起きるのか、それらを知る時には既に探索者の意識は闇に閉ざされていることだろう。
だがあなた方がどのような結末を迎えたとしても、誰もそのことに気付くことはない。何故なら『あなた方』は1週間依頼をこなした後に何事もなかったかのように探偵事務所へと帰りついたからである。
『あなた方』は探偵事務所という根城を武器に、今後も活動を続けていくだろう。その陰にはいつもエディンバラ研究所とドリーがいることを、『あなた方』のクローン以外知る由もない。
→ロスト
報酬
SAN値回復…1d6
あとがき
参考:ドリー(羊)
当シナリオはフィクションです。クローン実験についてはWikipediaを一部引用しております。
シナリオ内資料を鵜呑みにしないようお願い致します。
以下はタイトルトレーラーの4:3比率版です。ココフォリアなどのセッションツールにてお使いください。
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本作は「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
2022/08/08 掲載